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アウトリガーカヌー安全ガイドライン

はじめに

アウトリガーカヌー体力年齢を問わず幅広く楽しむことができるマリンスポーツです。

時には海をのんびりお散歩のようにツーリングを楽しみ、時には海峡横断など荒れた海を漕ぎ渡れるほどの走破性を秘めています。それゆえに、海というフィールドを正しく理解しアウトドアで活動する他のスポーツ同様、判断を間違うと大きな事故に直結してしまうことを心に留めて活動していかなければなりません。

『ツーリング』『波乗り』『海峡横断』『ダウンウィンド』などアウトリガーカヌーでの楽しみ方は経験や状況により様々です。また取扱う艇の特徴に応じた異なる技術、経験を積み重ねなければなりません。

本ガイドラインは、こうしたアウトリガーカヌーの活動に携わるクラブ、またパドラーへの安全に対する指針として推奨するものです。

■目的

ガイドライン制定の目的

・安全対策における意識、技術の向上を図ることを目的としています。

■安全管理(一般)

・天候、海況、体調、経験、技術、エリアの特異点、に留意し活動しましょう。

・事故が起こってしまう大きな要因としては、1)経験不足または過信による海況判断ミス、2)備品不備及び艇整備不良、3)体調不良が挙げられます。

・経験と技術に応じたエリア設定と出艇帳の設置、備品のチェックリストの作成、艇の定期点検、健康診断を行いましょう。

  

■海上安全

海上では海象・気象、遭難事故や座礁、他船との衝突事故など様々な危険要因があります。

 

アウトリガーカヌーにおける最も重要な点は、海況と技術の不相違による『沈』の状況を防止することです。また『沈』からセルフリカバリーができる技術を養うことです。

海況情報と乗員技術と経験の確認は欠かすことのできない大切な事項と心得ましょう。

万が一、事故が起きた場合に連絡ができるよう携帯電話を必ず携帯しましょう。

予め活動エリア、クラブ、海上保安庁、消防の連絡先を必ず登録しましょう。

(例)

海の110番 118

海上保安庁湘南江ノ島 04662224999

1)ローカルルール、地形、危険箇所の情報を事前に把握し活動を行う。

2)風向、風速、潮(カレント)、波による海象の変化を考慮したエリア設定。

3)海上航行のルール確認と理解(渡船、操業船、釣り船、ヨット、プレジャーボート、ジェットスキー等)

4)漁協や海上従事者、他のマリンスポーツの活動状況を把握し共存を図る。

■機材の安全管理

海上での機材トラブルは重大な事故に繋がる危険があります。

出艇前の機材チェックを習慣化させ定期的にカヌーのメンテナンスを行いましょう。

1)艇の種類に応じて気象、海象、装備、技術は異なります。適切に判断し、機材の特徴と特性を理解した上で安全に活動を行います。

2)パドルは様々な種類があり、その特性や特徴を使用者は理解し活動する。また、ロングパドルなど沖合を航行するような活動ではスペアパドルを装備する。

3)ライフジャケットは年齢、経験、体力、技術面を考慮し着用を義務付けることを推奨します。

4)乗員人数分の浮力体をカヌーに装着し活動を行う。

5)季節、コンディションに合ったウェアの着用。

■気象

気象、海象を把握することは安全な活動への第一歩です。時には出艇を見合わせうる勇気を持って活動しましょう。

1)最新の気象、海象の情報確認を怠らない。

2)気象庁により発令される警報、注意報また防災情報を確認し、活動に影響がある場合は出艇を控える。

3)気象、海象予報は現場と異なることもあります。情報を参考に現場の状況で判断する。

4)気象、海象情報を乗員はもちろんのこと、クラブ全体で共有する。

5)気象庁より各警報が発令されている場合は、活動を中止の目安とする。

■健康管理

海上での体調不良、怪我などが発生した場合、陸上以上に重大事故に繋がるリスクが高まります。

定期的に健康診断を行い、活動時には寝不足、酒酔い、発熱、疲労感等の確認を行いましょう。

 

1)活動前に健康状態をチェックリストなどを用いて確認する。

2)夏(高温多湿)、冬(寒さ)なども考慮する。

■緊急事態

緊急事態発生時、人命救助を最優先とし、関係機関、協会員、船舶を所有する業者、地域などと連携・協力し慌てずに対応しましょう。

1)会場から陸が近い場合は速やかに上陸(救急隊の受け渡し等も考慮し安全移送できる浜に移動する)。

2)沖合など直ちに陸へ戻れないような場合は、海上保安庁などの指示を仰ぎ、遊漁船やレジャーボードなどに応援を求める。

3)本協会、緊急連絡網を活用して情報を共有し、迅速な救助体制をとる。

4)事故を想定し、救命処置講習会の受講、緊急事態訓練を行う。
 

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